マンション管理士試験〜再チャレンジガイド(4)
さて
マンション管理士試験〜再チャレンジガイドの4回目です。
ここまでの流れをおさらいしておきますと
1.継続的に勉強する体制を整える
⇒ マンション管理士試験〜再チャレンジガイド(1)
2.時間効率を高める
⇒ マンション管理士試験〜再チャレンジガイド(2)
3.ヤル気や集中力をアップする
ということになります。
一応、行動する順番をつけております。
(1)勉強時間が確保されていないのに、他のことを検討しても無意味ですから、「1.継続的に勉強する体制を整える」は、第1です。
(2)勉強時間が確保されていても、時間の使い方に無駄が多いと(時間効率が悪いと)、思うように成果が上がらないので、「2.時間効率を高める」が2番目です。
(3)さらに、3.ヤル気や集中力をアップすれば、より大きな効果が上がるので、「3.ヤル気や集中力をアップする」が3番目です。
あえて順位をつけているのは、通常、一気に全部をうまくやろうとすると失敗することが多いので、ひとつひとつ順番にクリアするという地道なやり方のほうが、結果的にはうまくいくと考えたからです。
ただ、結果的に3つ全部クリアできれば、順番にこだわる必要がないとも言えますので、そこは適当に融通をきかせていただいてもOKです。
さて、上記3つをクリアして、次にやるとすれば、方法(「勉強法」)を検討することになるでしょう。
しかし、これには、問題があります・・・
<受験勉強の方法は、必要に応じて取り入れれば十分>
1.そもそも「受験勉強の方法」を学ぶ必要があるのか?
それは、「受験勉強の方法論」というものを特別に学ぶ必要があるのかどうかということです。
時間効率とか集中力とかのスキルは、試験だけでなく現実社会で活躍・成功することに役に立つスキルですから、受験勉強であろうとなかろうと堂々と研究して、身につけて、人生を豊かにすればよいという性質ものです。
ところが、いうまでもなく、「受験勉強の方法論」というものを必死で学んで会得したとしても、それは受験勉強という閉ざされた非現実的な世界でしか通常しないノウハウであって、現実社会では役に立ちません。
つまり、現実社会では役に立たないものへ、膨大な時間なり労力を投入してやることに意味があるのか、というのが問題となるのです。
この点、原則として、普通に実力を養成すれば、合格する試験ですから、特別に「受験勉強の方法論」というものを学ぶ必要はありません。
試験だけでなく現実社会で活躍・成功することに役に立つ勉強をしたいとする当ブログの立場を貫けば、受験勉強の方法というもの追求するのは無駄だといえるからです。
ただし、例外がありますので、それは後ほど。
2.試験勉強には過去問学習という優れた方法がある
通常、ビジネスの世界では、「方法」の研究はとても重要です。
どの業界も今は厳しい競争があります。
そこで、競合他社を出し抜くために、より良い「方法」を研究し続けるというのは、普通にビジネスの競争としてよくあることです。
どの業者も生き残るために、日々、どういう方法が成功をもたらすかを研究&実践し続けるものでしょう。
ところが、試験勉強の世界では
「過去問学習」という優れた方法があります。
ほとんど100%に近い合格者が採用し実践する方法です。
言うまでもないですよね。
で、そういう優秀な方法が存在するのですから、それ以上「方法」について研究しなかったとしても、特に問題はありません。
むしろ、それ以上の特殊な方法をなぜ研究する必要があるのか?
そちらのほうが問題です。
3.では、「受験勉強の方法」は完全に無視でいいのか?
原則としては、「受験勉強の方法」を気にする必要はないです。
地道に実力養成して合格すれば問題ないことです。
ただし、
「受験勉強の方法」にあるノウハウが時間効率を高めることとなるのであれば、それを各自の判断で取り入れるのは支障ないと思います。
もともと「受験勉強の方法」に否定的なのは、それが受験の世界でしか通用しないオタクな話で、それを学ぶことで現実社会での活躍・成功が遠のくからです。
ところが、「受験勉強の方法」の中にも、単なるオタクな話ではなく、時間効率をアップさせるような現実的に利益をもたらすノウハウも存在します。
そういうノウハウについては、特に否定する理由がありませんし、現実的に役にたつわけですから、採用しても良いと思います。
ただし、注意点として
(1)理解型の勉強を重視すること
(2)継続的に勉強する体制の中で行われること
(3)自分にとっての最善を発見すること
の3つを指摘しておきます。
(1)理解型の勉強を重視すること
受験勉強についてのノウハウで、大多数のものは「過去問論点をいかに上手に暗記するか」ということについてのものです。
要するに「暗記術」なのです。
本試験の1〜2ヶ月前に「暗記術」を懸命にやるのは望ましいと思います。
しかし、日々の勉強継続のすべてが「暗記術」であった場合、人生全体から見れば、現実社会で使うことのほとんどない能力を毎日必死で鍛えていることになりますので、試験に合格できてもその代償は大きすぎるといえるでしょう。
だから、過去問丸暗記はしないで理解型に徹するのがベストです。
ただ、合格証書を獲得する確率を上げるための方便として、直前期に集中的に暗記詰め込みを敢行するのは、理にかなっていると思います。
だから、使い分けなければなりません。
(日常の勉強)= 理解型の勉強
(試験直前期)= 暗記型の勉強
という感じが、いいと思います。
<参考記事>
⇒ 理解型勉強と過去問丸暗記型勉強
⇒ マンション管理士試験〜理解型勉強実力テスト
(2)継続的に勉強する体制の中で行われること
以前お話しましたが、「場当たり的な勉強」「試験に受かったらおしまい式の勉強」というものは、実力が問われる現代社会では膨大な時間の無駄です。
資産があり地位も安泰で、ヒマつぶしで勉強しても問題ないという恵まれた立場であれば別ですが、競争社会でのサバイバルに苦心する一般人にとっては、膨大な時間の無駄は命取りになります。
だから、自己投資として継続的に勉強する体制を構築するのは、当然です。
その継続的に勉強する体制の中で、時間効率アップの道具として、受験勉強についてのノウハウを採用するのは、望ましい展開です。
しかし、継続的に勉強する体制ではなく、単にお手軽に合格できるノウハウが欲しいから「受験勉強の方法」を探し求めるというのは、結局、本末転倒となり自滅することになると思います。
継続的に勉強する。
それが大前提です。
(3)自分にとっての最善を発見すること
これは受験勉強法に限ったことではないですが、勉強というのはとても個人的なもので個性が強く、ある人にとって最善の方法がある人にとっては最悪になることがあります。
つまり、受験勉強の方法は、薬にも毒にもなるということです。
成功者の方法を猿マネして皆が成功するなら、世界中、成功者だらけですよ(笑)
成功者の方法をたくさん学んで、自分自身の成功法則を発見する。
そこに、皆、苦労があるわけです。
それに対して、
出来るだけ労力を使わずに楽にお手軽に合格したいから、受験勉強の方法を猿マネして合格しようというのでは、苦労して自分の最善を探すという修行を放棄して安易に流れるということですから、人生全体からすれば激しく有害です。
それなら、受験勉強など、やらないほうがマシだと思います。
試験に合格しても、自分をダメにしたら意味ないですからね。
だから、そのことを理解して、トライ&エラーで自分にとっての最善を発見するという方向であるなら、やっても良いと思います。
ということですが、
受験勉強の方法というのは、一種の道具ですから、有効であれば採用するのは原則としてはいいと思います。
しかし、過度に受験勉強にのめり込み、勉強する本来の目的(現実社会での活躍、成功)からかけ離れるという現象が資格試験勉強の世界では多く見られますので、受験勉強の方法を導入するのは慎重になるべきだと思います。
一般社会人として継続的勉強体制を構築する。
それを最優先にしていただいて、その上で、必要な方法論を取り入れればよいかと思われます。
特に、昨年、不合格であった皆様にとっては、単純に悔しいから何が何でも合格したいという気持ちがあるでしょう。
だからといって、受験テクニックや解法のテクニックを中心に1年間勉強して合格してそれでいいのでしょうか?
敗因は、正当に実力が足りなかったことに対して求めるべきであって、受験勉強のやり方に求めるのは、誤りです。
試験に受かって人生ボロボロ、ということになっては意味ありません。
あらためて、俗ですが、
素直に実力を養成しましょう。
前向きな未来は、受験勉強法ではなく、実力によって生まれる。
そうじゃないですか。
(2012-3-15)