マンション管理士試験再受験ミニガイド(3)

さて、マンション管理士試験再受験ミニガイドと題しましてお話させていただいておりますが、前回までは、再受験に限定されない一般論でありましたが、今日からは、再受験向けの話が多くなります。

前回は、モチベーションの維持についてお話しましたが、今回は、「勉強したことを忘却してしまうというリスク」についてです。




受験勉強をしていて問題になるのは、一生懸命覚えたこと勉強したことが、時間の経過によって自然に忘却してしまうことです。

たとえれば、人間の脳は穴の開いたバケツのようなものであって、ドンドン水を入れて(記憶して)も穴からドンドン抜けていくというような具合です。

そうすると、水が抜けていく量(忘れてしまう量)が一定と考えれば、勉強期間が長期になればなるほど忘却量が増えることとなり、それだけ多くの水を注ぎ込むことが必要となります。

仮に短期であれば100の勉強量で合格圏内に入ることができるとすれば、長期の場合は、忘却を考慮して150とか200とかの勉強量が必要になるということです。

この忘却を考慮するという発想が、一般的にはありません。

勉強の積み重ねということは、よく言われますが、忘却の積み重ねについては理由は不明ですが無視されることが多いのです。

よく、合格に必要な勉強時間ってありますよね。

司法試験で2000時間とかマンション管理士で300時間とかいうやつですが、勉強量だけを考慮して忘却を考慮しないのでは、意味ないんじゃないかと思っています。

なぜなら、同じ300時間の勉強でも、半分忘却した場合と1割しか忘却していない場合とでは価値が違うからです。当然ですよね。

もし、必要勉強量というものを数値化できたとしても(私は無理と思っていますが)、忘却を考慮しない数字というのは、おおまかな目安にもならないのではないかと思われます。まあ、お遊びということでしょうか。

それはそれでいいのですが、本稿をお読みいただいております皆様方におきましては、ぜひ忘却を考慮して正しく状況を把握し計画をしてほしいと思います。




そこで、

マンション管理士試験再受験ミニガイドと題しました本来の目的である再受験のためのアドバイスをさせていただきたいと思います。。

再受験の方々の場合は、何が有利かといいますと、一応、ひととおりテキスト学習をし過去問をやっているわけですから、初学者にくらべて試験範囲を1巡する時間が短く済みます。

初学者であればテキスト全範囲+過去問1巡で、早くても3ヶ月、通常は4−5ヶ月くらいかかると思いますが、再受験の方々の場合はそれが2ヶ月くらいでいけるでしょう。それが大きいのです。

4ヶ月かかって1巡するのと2ヶ月で1巡するのとでは、単純計算で忘却量が2倍違います。また、2ヶ月で1巡するということは4ヶ月で2巡することになりますので、忘却した部分の取り戻しが可能です。

そうすると、「4ヶ月で1巡」と「4ヶ月で2巡」とでは、かなりの大きな効果の差が出てきます。この効果の差こそが、再受験の方々の優位性なのです。



そこで、

再受験の方々につきましては、昨年度に勉強した知識を忘却しないうちに最スタートをされるのが、より優位性を高めることとなります。

何もしないで、8月くらいまで放置していますと、初学者と同じような展開になってしまいます。それが悪いわけではないですが、せっかくの優位性を捨てるのは惜しいと思います。



よって

再受験の方々につきましては、早期スタートが正解です。

ただ、モチベーション維持の問題は注意してほしいと思います。

モチベーション・ダウンによって8月くらいで息切れしてしまっては、元も子もないので、11月まで完走できるような工夫をしてほしいと思います。




ということで、

総論的なお話はこれくらいにして

次回からは、個々具体的なお話をしたいと思います。

ではでは

(2009-2-24)